2018 IPNFAⓇ認定ベーシックコース 2期

7月11日~15日、8月8日~12日の10日間にかけて行われたIPNFAⓇ認定ベーシックコース(レベル1/2)

今回はシニアインストラクターであるBenedikt Boemer氏をお迎えし、開催しました。私もアシスタント兼通訳として参加させていただきました。

1)教授することの意味
今回のコースで自分にとってとても勉強になった部分です。Kitty女史・Marcel 氏とシニアのアシスタントをさせて頂く中で、こういうことかと思ってはいたんですが、今回自分のなかでクリアになった部分でした。
「どんなに優れた技術を持っていても、伝わらないと色あせるかもしれませんし
伝え方がうまければ、技術面をカバーできるかもしれません。」
ただ、市川先生のようにそういった理屈を超越してしまう方もおりますが・・・

2)リーズニング力
前回のベーシックでMarcel氏から指摘された部分で、「結果を出せてもそれにつながる筋道に一貫性がないといけない」と教授された内容は今回デモの中で、ある程度うまく出せたかなと思っています。
それにしても、Benedikt氏のリーズニングはすごくわかりやすい…これは実際にコースに参加される方が口々にされる言葉ですが、私もそう思います。脳神経学をベースにしているのは明らかですが。しかし、クライン等運動学の知識も取り入れているため、発想の幅が広がり、その広がりの中で、Killer(Coreとなる問題点)を見つけ、確実に治療に結び付けていく…
是非、機会があれば、体験してもらいたいと思います。

3)プレゼンテーション力
一度受けられた方は共感していただけると思いますが、とにかく「指導は楽しい」につきます。アシスタントの自分にとっては比較対象されるととても厳しい部分ではあるんですが….
ただこれはBenedikt氏に限らず、Kitty女史・Marcel氏にも見られる傾向です。
Body langarge…つねにシニアの彼らから与えられる課題…ですね。

まだまだ色々書きたいことはありますが、この辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました<(_ _)>

 

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セラピーは体力も必要?!切れない集中力は結果を生み出す原動力

 

 

 

 

 

ハンドリングスキルアップセミナー イン 人吉 

 

5月26日㈯・27日㈰の2日間
熊本県人吉市での開催されたセミナーに
講師として参加させていただきました。

2015年から福岡で始まったセミナー
今回は福岡を離れ、人吉市にお伺いしました。

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さてハンドリングスキルアップセミナーは
「患者さんに協力いただき
治療に向けて、本人の希望に対する課題点の仮説検証(臨床推論)を行い
治療のデモを行います。
そのあと
臨床推論とその際に利用した考え方の説明
治療で用いたハンドリングを解説、練習し
日々の臨床(治療)場面に活用していくこと」を目的としています。

今回から中村くんにも「ケーススタディ」をお願いしました。

さて、今回のデモに協力いただいたのは
右片麻痺の方と全国大会を目指す400メートルハードルの高校生アスリート

個人情報に関わるため、詳細をお伝えすることはできませんが
求めるレベルに違いはあれど
「よくなりたい」のはどんな方も同じです

そうなるためにどうしたらいいのか
「知りたい」気持ちは変わらないのだと思います。

では、セラピストとして
「そんな方々の気持ちに答えるためにどうするとよいのか?」

Facebookで質問に対して書きましたが
どんな患者さんも問題と思っていることが解決しない限り
病気になった時期は関係ないように思います。

そして、こんな疑問が生じると思います
「患者さんが期待しているセラピスト像はなにか?」

でも、患者さんの悩みは多種多様…
たしかにすべての患者さんを満足させることは難しいかもしれません。
しかし、挑戦することはやめてはいけない。

患者さんの可能性が、セラピストの能力に左右される…
そうならないよう、日々の臨床大切にしたいですね!!

400h

「未来に向けてがんばってください!!」
デモに協力していただいた高校生アスリートと一緒に

 

 

 

 

2日間の徹底実技講習会          [片麻痺患者様の体幹機能と基本動作能力の再獲得について学ぶ!!】回復期編

2018年5月19/20日、兵庫・尼崎にてセミナー講師を務めてまいりました。

初日・19日は体幹機能について
なぜ「抗重力位での身体を保持する必要」であるのか、ひもときながら
重力・支持基底面の関係やその反応について
実技を交えながら実施いたしました。

2日目・20日はより臨床をイメージし、患者さんの病態像を確認しながら
「認知面を初めとする急性期から引き続き見られる問題点、」
「急性期の問題点がクリアにならず、その結果、新たに獲得する問題点」
を中心にレクチャーいたしました。

 

今回のセミナーではテーマを踏まえた上で
現在、取り組んでいる「普遍的な考え方を臨床に応用する」ことを念頭にいれました。
例えば、「重力」
「重力」があるから、体重を認識します。
重力は地球の内側に向かっているので、上下がわかる「空間認知」につながります。
空間認知を保つためには「重力下での姿勢保持」が必要になります。
・・・といった具合です。IMG_5715

その上で今、私が、リハを考える上で大切にしているのが「個別性」
「身長・体重といった体つきの違い」
「性格・好みといった心の持ち方の違い」
そして
「性別の違い」・・・
やっぱり、好みって大事だと思います。
実際の生活でも、好きな服は何度も着るけど、自分に合わないものは全く着ないですよね?

 

最後に
PNFのインストラクターを目指している自分にとって
「PNFとは」を指導していくことが求められるけど
今の自分の考え方に至ったのも
キティー、ベネディクト、マーセルといったPNFシニアインストラクターの
「PNFに対する考え方」が大きく反映されています。

PNFの「哲学・基本原理/手順・テクニック」といった基盤となるものは変わらないけど
それぞれのインストラクターが違う知識・経験をもっていることが
「PNFをいうコンセプトの多様性を生み出す」と個人的には解釈しています。

まだまだ修行中の身ですので
自分の意見をシニアの前で述べるのはおこがましいのですが
いつかあのようになりたい…
まだまだ「だれが食べてもおいしいと思ってもらえるセラピー」の探求はつづきます。

さて、次回のEpochセミナーはシリーズ最終回
「9月16日㈰ 歩行」を中心にお話しいたします。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

2018年4月14日・15日 (株)OnziiiAct主催  「体幹セミナー」 

週間が経つのは早いですね…

先日、名古屋で開催されたセミナーについて報告したいと思います。

「体幹」…セラピストなら、聞いた事がない人を探すことのほうが難しいほど
ポピュラーになったトピックスですが
今回改めて「体幹」について、話をする機会をいただきました。

では体幹ってどんな役割をするかといえば。
「上下肢の連結」
「上下肢の運動の補償」(安定性を供給する)
「内臓の保持」
なんかがそれにあたります。
最初に、体幹が「上肢・下肢を連結する」という考え方は
運動連鎖や筋連鎖の考え方につながると思います。

PNFにもIrradiationという考え方がありますが
基本的に体幹における筋活動が、適切に起こらないと
強い要素を持つ上肢下肢の筋活動がうまく伝わらず
反対側・相反的に筋活動を促すことが難しいと考えています。
(あるインストラクターの受け売りの部分でもありますが・・・
臨床で確認するとなるほどと思いました。)

次に「上下肢の運動の補償」
つまり。上下肢の運動が動く際
そのスタビリティーになるということですが
そこには肩甲帯・骨盤帯の存在が不可欠です。

構造的にも、上肢は下肢に比べて、質量が軽いですし。
広い可動性を確保するために、肩甲骨は2つある点や
歩行をはじめとした移動や、立ち上がりや着座等、
重力の中で身体を動かす動作には
大きな筋出力が必要であり
下肢の運動を支えるために骨盤が、1つであることはうなずけます。

しかし、肩甲骨や骨盤帯の運動は、意識的にできますが
腹部の筋の一部を意識的に動かすのは・・・
一般的には難しいと思います
ヨガの達人ならできそうですが

最後の例に挙げた「内臓の保持」
内臓には重力に反応するGraviceptorという、感覚受容器が存在するそうです。
内蔵は「物を言わない臓器」ともいわれ
「痛みがあったり。おなかが減る」とその存在を感じることができるのですが
どのように動かし、どこにあるのか
自分で認識できない点はおもしろいところだと思います。

いまでこそ、脳科学が進み、脳の責任領域がわかり
脳が運動にどのように関与しているのかわかってきていますが
ほんの数十年前には、わかりませんでした…

しかし、わからなかった中でも
理学療法・運動療法は存在していたので
その当時の概念を参考にすることは
自分の観察力を標準化するのに一役買っています。

その当時の概念とは、
普遍的な原理・身体の特徴等を用い
人の動きを観察・定義付けし、治療技術と融合させた
クラインフォーゲルバッハ女史がその創始者である「機能的運動学」の考え方です。
たとえば普遍的な考え方の1つの例として「重力」があります
1)重力は加速度と引力によって構成され、常に地球の中心に向かっている。
2)重力のおかげで、人は自分の体重を知り、空間での上下がわかるようになる。
3)重力を情報源とする感覚器は何かと考えると
前庭器官であったり、足底の感覚受容器であったり、内臓器であったりする。
4)そういった器官が適切に働くためにも姿勢は
立位・座位といった抗重力姿勢を取ることが必要となる
5)抗重力位をとるためには、筋活動が必要となり
筋に指令を送る神経系が必要となる…

とっても単純な発想かもしれないけど、重力と人との関係を考えると
「感覚器を通じ、情報を収集・処理し、必要な筋活動を促し、活動につなげる…」
といった脳神経系の役割の一部が見えてきませんか?

それらを具体的に解釈が進むように
6)現在わかっている脳・神経系の機能や役割
体型・体質といった運動に影響を与えるであろう身体的特徴に関する知識を
肉付けをしていく

さらに
それをセラピーに汎化させるためには
「課題選択、運動学習・運動制御の理論」も取り入れて、考える必要が生まれてくるわけで…

上記に挙げたのは「重力」をそのストーリーのはじめにもってきた展開で
「視覚」をもってくれば、違うストーリーにもなる可能性は充分に考えられます。

つまり、解釈は一つではなく、幾重にあることが大切であり、自分なりにストーリーを作っていくことがまた、セラピーの楽しみにもつながると個人的に考えています。

最後に
今回のセミナーでは、
自分にできることは「今までの経験から知識やエビデンスをこう使うと
こんな解釈ができますよ」と提案することで
参加者の皆さんには、それを臨床で確認し、検証する作業は行ってもらい
たいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

本セミナーにご協力頂いた
()OnziiiActスタッフの皆様
会場提供をしていただいた松井整形外科スタッフの皆様
ご参加いただいた各先生
深謝いたします

Special Thanks

千葉県・みさと健和病院 柳町先生
「大腿骨頸部骨折後の患者さんが抱える体幹の問題」について
ケーススタディーならびに実技指導していただきました
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(株)OnziiiACT 阪本先生
「寝返り動作時に、片麻痺患者さんの体幹の使い方」について
ケーススタディーならびに実技指導していただきました。

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そして、来年2月にはIPNFAⓇ認定アドバンスインストラクター
松田現先生が訪東海地区の予定です!!
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最後に、私ごとですが、次回はEPochさんのセミナーでお話させていただきます。
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IPNFAⓇ認定コースをはじめ、ホワイトデール企画研修会は以下のアドレスまで

ホームページ:http://whitedale.jp

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